休業損害
1 有職者
(1)給与所得者
交通事故事件における裁判実務では、「事故前の収入額」を基礎として、交通事故によって休業したことによる、現実の収入減が、認められています。
また、現実の収入減がなくても、有給休暇を利用した場合、認められています。
(2)事業所得者
裁判実務では、現実の収入減が、認められています。
2 家事従事者
(1)専業主婦
交通事故事件における裁判実務では、「全年齢平均賃金額」(「女性労働者・学歴計・全年齢平均賃金額」)を基礎として、交通事故により、家事労働に従事できなかった期間について、認められています。
なお、「女性労働者・学歴計・全年齢平均賃金額」は、統計上(賃金センサス平成23年)、355万9000円とされています。
(2)有職の主婦
交通事故事件における裁判実務では、「実収入額」が「全年齢平均賃金額」を上回っている場合、「実収入額」を基礎とすべきと考えられています。
逆に、下回っている場合、専業主婦の場合と同様の処理をすべきと考えられています。
3 無職者
(1)学生・生徒
交通事故事件における裁判実務では、原則として、認められません。
(2)高齢者
裁判実務では、原則として、認められません。
4 失業者
交通事故事件における裁判実務では、労働能力及び労働意欲があり、再就職の蓋然性がある場合、認められています。
但し、裁判実務では、金額は、平均賃金額よりも減額すべきと考えられています。