遅延損害金
1 遅延損害金
裁判(訴訟)をした場合、遅延損害金(年5%)を、法律上、加害者側(任意保険会社)に負担させることができます。
そして、遅延損害金の起算日は、判例上、交通事故日とされています。
よって、例えば、被害者の損害額が1億円で、交通事故日から2年後に解決した場合、1000万円(1億円×0.05×2年)の遅延損害金を、損害額の1億円とは別に、加害者側(任意保険会社)に負担させることができます。
2 自賠責保険金の確定遅延損害金
(1)具体例
分かりやすく説明するために、具体例から記載します。
例えば、交通事故の後遺障害等級1級(別表第2)の事案で、交通事故日から1年後に、自賠責保険会社に対して被害者請求をして、自賠責保険金3000万円が支払われたという場合を考えます。
そして、被害者の損害額が1億円で、交通事故日から2年後に解決した場合を考えます。
この場合、既払い金3000万円を控除した損害額の7000万円(1億円-3000万円)とは別に、700万円(7000万円×0.05×2年)の遅延損害金を、加害者側(任意保険会社)に負担させることができます。
ここまでは、上記1と同じです。
(2)自賠責保険金の確定遅延損害金
しかし、この場合、よく考えますと、交通事故日から自賠責保険金支払日までの遅延損害金150万円(3000万円×0.05×1年)が確定的に発生しています。つまり、交通事故日から1年後に、自賠責保険金3000万円が支払われたときに、本来であれば、150万円の遅延損害金が付加された3150万円が支払われるべきであったと考えられるのです。
しかし、この150万円が支払われていない以上、結局、7000万円と、700万円の遅延損害金の他に、さらに、自賠責保険金の確定遅延損害金150万円も請求できると考えられるのです。
(3)最高裁判例(平成11年、平成12年)
そして、最高裁判例(平成11年、平成12年)は、この自賠責保険金の確定遅延損害金の請求を認めています。
よって、上記の例では、自賠責保険金の確定遅延損害金150万円を請求することができ、合計7850万円(7000万円+700万円+150万円)を請求することができます。
(4)最高裁判例(平成16年)
さらに、最高裁判例(平成16年)は、法定充当を認めています(なお、この点は、一般の方には理解困難な問題ですので、説明は割愛させていただきます)。
よって、上記の例では、結局、合計7875万円(計算方法は割愛させていただきます)を請求することができます。
3 どの弁護士に依頼しようか迷っている方へ
しかし、上記の最高裁判例を知っている弁護士は、非常に少ない状況です(個人的には、50人に1人位しか知らないのではないかと思っています。)。これは、弁護士資格を取得する過程で、交通事故について十分に勉強することは要求されていないからです。
そして、裁判(訴訟)では、知識不足から、請求しなかった場合、裁判所が認めてくれることはありません。
よって、上記の例のような場合ですら、弁護士の知識の有無で、弁護士によって獲得できる金額に、簡単に175万円(7875万円-7700万円)もの差が出ることになります。
さらに、上記の例では、分かりやすく説明するために、損害としての弁護士費用を省いて計算しているところがあり、これを考慮すると、実際には、230万円(計算方法は割愛させていただきます)もの差が出ることになります。
よって、当法律(弁護士)事務所にご依頼されることをお勧めいたします。
無料法律相談を実施しておりますので、まずは、是非、お気軽にご利用ください。